認知症といえば「わしゃまだメシを喰っとらん!」でしょうか?物事の始まりから終わりの時間がスコッと抜け落ちてしまうような忘れ方は記憶障害の症状です。
この記憶というものは、実は色々と種類があります。
しかも専門学の領域で示す名前と意味が変わり、少しややこしいのでまとめておこうかと思います。
心理学
短期記憶、長期記憶、感覚記憶で分類されます。
感覚記憶 感覚器(五感)に受けた刺激の記憶。瞬間だけ記憶される。その人がその刺激に意識を向けたら短期記憶や長期記憶になる。
短期記憶 数十秒から数十分保持される短い記憶。
長期記憶 4つに分類されることが多い。
・エピソード記憶(個人の思い出、出来事)
・意味記憶(物事の名前と知識)
・プライミング記憶(思い込み、連想する物事)
・手続き記憶(体で覚える動作手順、知覚技能)
例えば…
「お茶を入れて下さい」と言われました。人はどれだけ記憶を使い行動するか考えたいと思います。
①「何をするって言ったんだっけ?」【短期記憶】
②あの人はどの湯呑みを使ってたかな?【エピソード記憶】
③やかんは何をする道具… 熱い水は何ていう名前… 湯呑みはどんな形… 茶葉とは…【意味記憶】
④こぼさないようにお茶を注ぐ【手続き記憶】
⑤熱いものを移動さす時はゆっくりになる【プライミング記憶】
⑥言われた人に持っていく【短期記憶、エピソード記憶】
⑥言われた人に持っていく【短期記憶、エピソード記憶】
といったように記憶を頼りにした動作の連続である。
プライミング記憶(思い込み、連想する物事)
・バイキンマン ジャムおじさん ドキンちゃん アンマンパン
・にんじん ピーマン だいこん ほうれそんう
上記はアンパンマンとほうれんそうが誤字になってますが、関連する単語が並んでいるため似た文字で連想できる単語が読み切る前に記憶から先に引っ張られるためです。
人間が得とくしていく記憶の能力の順番
①ハイハイしたりこぼさず食べたりの手続き記憶
①ハイハイしたりこぼさず食べたりの手続き記憶
②物事を連想して危険を回避するプライミング記憶
③好きなもの意思表示できるころは意味記憶
③好きなもの意思表示できるころは意味記憶
④小学生のころがエピソード記憶と短期記憶を定着させる
実はアルツハイマー病になってしまったときに失われる記憶の能力の順番は逆の④→①をたどることがセオリーです。
育ってきたように失われていく事は「人間という生き物のヒトトナリ」だと感じます。
生物学
短期記憶 数分から数時間の記憶
長期記憶 数日から数週以上の記憶
臨床神経学
即時記憶 記憶したものを即座に(どれだけ)思い出す
近時記憶 記憶したものをしばらく経ってから思い出す
遠隔記憶 記憶したものを何年もたってから思い出す
もちろんこれだけが記憶の種類ではありません。認知症の症状の理解の範囲で収めておきたいと思います。
記憶を失うのは悲しいことですが、その分周りの人たちが思いを持って関われたらいいですね。
ではでは。
へいへーい
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