アルツハイマー型認知症
(アルツハイマー病の認知症)
初期症状
もの忘れ【短期記憶障害】
原因
脳にアミロイドβやタウというたんぱく質が溜まり、神経細胞が破壊されるため。
主な特徴
・近時記憶(数分から数時間)やエピソード記憶(出来事の記憶)の障害が多い
・見当識障害
・判断力、思考力の障害
・失語
・失行
・失認
・場あわせ、取り繕い反応(ていのいい返事)
・物取られ妄想
・仮性作業(指先の編み物のような動作)
・作話
・鏡現象(鏡の中の自分と話すような言動)
・進行は穏やか。(8-10年で重度となる事が多い)
・認知症としては最も多いタイプ。
対応のポイント
☆同じ話題を繰り返す事には注意したり怒ったりしない。
お決まりの同じことを何度も繰り返し話題にします。「さっき言った」「また同じことを言っている」と返答してしまいがち。本人は言った事を忘れているので聞いていないのに、と嫌な気分になります。そしてその感覚だけが残り、うつや他の症状(行動・心理症状)に繋がる事にもなります。介護者は繰り返す話題にイライラせず、その人が安心するための行動だと思い、出来るだけ付き合ってあげることが大切です。ただ、介護者の負担となる場合はその人の興味がある違う話題に変えて話をしてみましょう。
☆見当識障害にはカレンダーやメモなどを利用しましょう。(リアリティオリエンテーション)
大事な予定は、本人がよく見る場所に大きくメモ書きを貼ったり、カレンダーに記入して確認が出来るようにしてみるのも良いです。
☆家にあるのに何度も同じ物を買ってしまう。
買い物する時は必要なものだけをメモに書くようにする。または、家にある物をメモにする。しかし思い出したように再び同じものを買う事はあるので、メモをした上で買い物には付き添いで行うようにする。
☆薬の管理をする。
薬の飲み間違いは危険な状態になる場合があるので、管理が必要です。1回分をまとめて薬カレンダーで飲み忘れがないようするなど、工夫をしましょう。本人の状態で飲むまでを見届ける必要もあります。
☆本人が生活しやすい環境をつくる。
時計などはアナログよりもデジタル式の方が見やすい事がある。
脳にダメージを受けている場所によって出来る事と出来ない事は違うので確認しながら変える必要がある。トイレの場所が分からないからといって標識を貼ったとしても認知とならない事があります。落ち着かない時は訴えとして出てこなくてもトイレのときがあります。促してみることが必要な場合があります。
☆連絡先を常備し、周りに協力を求める
一度でも外出で迷いそうになったら、もしもの場合に備えて名前や連絡先を服に付けたり、小型のGPSをポケットに入れておくなど対策をとりましょう。
また徘徊が始まり家の外に出たがる時は、出来るなら一緒に近所を回って帰ってくるなどしてみましょう。勝手に出て行かないよう、鍵は手の届かない場所につけるなどし、可能ならば近所の人や民生委員などに徘徊があるという事を伝えて協力してもらいましょう。
☆物盗られ妄想などは否定はせずに話を合わせる
物盗られ妄想や幻視などの訴えが起きている時は興奮している場合があります。否定すると、余計興奮に繋がり、わかってもらえない事に腹を立てるだけになりますので、話しを合わせてみましょう。一緒に探しながら、話題を変えてみたり、一息入れてからもう一度探しましょうと、場所を変えてみると興奮が治まる場合があります。無理強いはせず、安心できる言葉かけをする。例えば、お風呂に入らない、また服を着替えないなどは、服を脱いだりするのが面倒であるだけの時もあり、お風呂に入ってしまうと気持ち良いとなる場合もあります。
「お風呂は気持ち良いですよ」と気持ち良い事を伝え、本人が安心できる会話をしているうちに脱いでもらえる場合があります。介護拒否に対し無理強いをすると、余計拒否が強くなったり興奮したりするので止めましょう。
☆不快な場面をさける
嫌な思いや不快な事などの感情は残りやすいと言われています。不快な思いなどはストレスとなって、症状の悪化に繋がる場合もあり、介護者が出来る範囲で、ご本人に合わせるようにするのが、介護を続けるコツになります。ただ、段々介護負担は大きくなってくるので、介護者が倒れてしまう前に、介護保険のサービスも利用して対応していくようにしましょう。
参考:認知症ネット
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