2017年4月22日土曜日

介護において性格を知ること大切です。

わたしが、今一番興味があるのが

  「性格」  です。


なんで性格に興味があるかって、それは認知症の人の言動を症状か元々の性格かを上手く伝えられなかった経験が多くあるからです。
認知症は性格の変化も含まれ、性格を表現する言葉に主観を入れず伝えることは難しく、調べると数多く深みにはまったんですね



人の性格って何で決まるのでしょうか?
親からの遺伝もあるでしょうし、育ってきた環境もあるでしょうし、評価してくれる人によっても違いがでます。


なかには体格で性格の質が決まるなんていう説もあります。痩身型は神経質で、肥満型はおおらかで、ガッチリ型は粘着質だそうです。痩せていて神経質な人が太ればおおらかになるのでしょうか。周りにそういう人がいないので実感がないです。
ちなみに私の性格は粘着質で体型はガッチリです。ん~…当たっとるやないか!


また性格を変えることが出来るのでしょうか?「子供が生まれて人が変わった」なんていいますが、本当に性格が変わったのでしょうか。
その性格はこの世にどのような影響を与えて行くのでしょうか。興味深いところです。



まずは基本的な所から。


  心理学からの「性格」  

人の性格は4重構造になっていると説明されてます。


①気質・・・生まれもった性格(先祖からの遺伝)

②気性(狭い意味での人格)・・・幼少期にまでの生育環境で 出来上がる性格

③習慣(社会)的性格・・・人や物事と接する時に自分がどんな行動をとるかを他者が周りと比べての評価としてだす性格 (その人を取り巻く人間関係により変化する)

④役割性格・・・社長、社員、親、主婦などの役割を自分なりに演じるための性格



ちょっと解説
②気性(狭い意味での人格)とは、幼少期までに受けた環境や影響が、その人の感受性と思考性に大きく関わる。まさに「三つ子の魂百まで」 です。子供がやんちゃな気質で抑え付け行動しないようにするのか、ルールを設けて発散するまで行動させるのかでその後の性格がかわる。納得できます。

③の習慣(社会)的性格というのは、同じ性格でも時代が変われば評価は変わります。『男は仕事、女は家庭』の時代は女性が仕事を熱心にすれば “ 男のような性格 ” と言われていたでしょう。今は男も女も家庭と仕事ですね。
また同じ人でも周りの人が変われば評価も変わります。周りにせっかちな人が集えばその人は『おっとり』と言われます。
さらに認知症介護でいえば、認知症になったら人格も終わりとされてしまうのか、認知症になっても人は変わらないとなるかは周りの介護をする人の評価なのかもしれません。

①→④にかけて変わることができるそうです。①気質は変わらず④の役割性格は変わる。納得です。
なので子供が生まれれば妻も夫も新たな役割性格が増えたので変わらなければいけません。逆に変わらない方が非難されてしまいます。



  エゴグラム  エゴグラム無料診断   

5項目を設けて、その項目ごとの強弱で性格のタイプを分類するエゴグラム。
そもそも同じ性格でも上記の習慣(社会)的性格ではポジティブな評価か、ネガティブな評価のどちらか一方をうけてしまいます。
しかしこのエゴグラムは良い悪いの両面の言葉で評価を出されているのがいいですね。


5項目とその評価を紹介します。

•CP(critical parent) 「厳しい親」
リーダーシップ、理想家、正義感、指導力 ⇔ 命令的、非難、批判的

•NP(nurturing parent)「優しい親」
優しい、世話好き、親切 ⇔ おせっかい、過保護、自立心を抑制させる

•A(adult)「大人」
合理的、現実的、公平、客観視 ⇔ 冷たい、理屈っぽい、事務的

•FC(free child)「自由な子供」
直感的、天真爛漫、ユニーク、行動力 ⇔ 自己中心的、感情的、お調子者

•AC(adapted child)  「合わせる子供」
従順、気づかい、慎重、協調性 ⇔ 消極的、依存的、人目を気にする


この5つの項目の点数を折れ線グラフにして、MW N型 逆N型といった評価を受けます。

これで思うのですが『性格の良い悪い』を決めるのは社会が決める面もありますが、主には悪意があるのか、悪性の社会心理が強いかだと思います。

*悪性の社会心理とはパーソンセンタードケアという認知症ケアの理念を示した中に出てくるもので、他者と関わるときに「人を陥れる」「無視する」「だます」「非難する」などの心境になることです。


たとえばどちらも罪ですが、
・交通事故を起こす ≠ 性格が悪い
・詐欺をする = 性格が悪い
のようなことで「罪」ではあるがその評価を間違ってはいけないなと思います。


さらには
・高齢者虐待をする=性格が悪い
とも一概に言えません。
背景には過度なストレスや知識、情報の不足や社会サービスの不備の背景があり加害者の悪の一点ではないということです。



  人格障害  

人格障害とは:ものの捉え方、考え方、感情、衝動コントロール、対人関係など範囲で偏りがあり生活に障害(問題)が生じるもの。
「性格が悪い(悪意がある)こと」ではなく、精神疾患。生まれもっての特性、幼少期のトラウマ、苦難な環境などが併せ持ち発症する。
大きく3つに分類され10種類あります。



種類:A群(奇妙で風変わりなタイプ)

Ⅰ妄想性人格障害(広範な不信感や猜疑心が特徴)
『あれ(あいつ)は私に○○しようとしている』
接し方:親しくなると監視したいという衝動がでる。些細なことで裏切られたと感じ復讐心が出る。自分が常に中立である感覚を相手に与える。

Ⅱ統合失調質[シゾイド] 人格障害(非社交的で他者への関心が乏しいことが特徴)
“沈黙”特に集団で無感情、無表情、接し方:自己の世界の侵害を恐れる。些細なプライバシーにも関わらない。

Ⅲ統合失調型人格障害(超常現象など場の適切さを欠く言動で風変わり。感情の幅が狭い。)
“現実にはありえないことを自分と関係あると思い込む言動”
接し方:頭の中で生きている。繊細で敏感。本人のペースを大切にする。


B群 (感情的で移り気なタイプ)

Ⅳ演技性人格障害(他者の注目を集める派手な外見や演技的行動が特徴)
“目立つ嘘” 有名人と知り合い・奇跡的な経験をしたなど。
接し方:風評を作るのが上手い。演技している面を指摘も賞賛もしない。

Ⅴ自己愛性人格障害(傲慢・尊大な態度を見せ自己評価に強くこだわるのが特徴)
『自分はやる気になれば何でも出来る。』『私は昔、○○をしていた(過去の自慢)。』
接し方:自己評価が高く現実との能力に差がある。自分を認めてくれる人には良く、認めない人には厳しい。権限を持たせてはいけない。

Ⅵ境界性人格障害(感情や対人関係の不安定。衝動行為がある。対人操作がある。)
『かまって』『寂しい』『つらい』『怖い』『死にそう』『死にたい』『つまらない』
接し方:情緒の浮き沈みに冷静で常に一定の態度をとる。要望に応えない。

Ⅶ反[]社会性人格障害(反社会的で衝動的、向こうみずの行動が特徴)
『あなたは考え(気にし)すぎ』『私を誤解している』
接し方:緊迫を快適に感じる。罠を仕掛けてくる。なるべく接しない。関心を待たせない。


C群 (不安で内向的であることが特徴)

Ⅷ回避性[不安性] 人格障害(自己にまつわる不安や緊張が生じやすいことが特徴)
『そんなの無理です。』『わたしはダメな人間です。』
接し方:無感情無気力。失敗と傷つきを極度に恐れる。主体性や気持ちを重視する。

Ⅸ依存性人格障害(他者への過度の依存、孤独に耐えられないことが特徴)
『○○がないなんて考え(信じ)られない。』『○○がないと私はダメ。』
接し方:自分で判断させ行動させ結果を出す訓練をさす。すぐに答えを言わない。

Ⅹ強迫性人格障害(融通性がなく、一定の秩序を保つことへの固執[こだわり]が特徴)
『○○しないといけない。』
接し方:休むことが苦手。自身の価値観に囚われる。別の視点を提供する。



性格も極度にかたよってしまうと社会生活に支障が出て『障害』となってしまいます。
性格は個性として扱われていますがストレスや環境によって誰もがこの個性に偏りが生まれます。
もちろん先天的要素も大きいとは思いますが、自分も起こりうると捉え、自己覚知と他者理解のために人格障害という分野も知っておくと理解が深まりスッキリします。




  16personalities  



色んな性格診断があるなかでこれは格別でした。ズバリ過ぎて照れます。みんなにやって欲しい一番の診断テストです。



ぜんぜんこれだけじゃなく学習障害やADHDや自閉症や不安神経症や精神疾患など人を知る要素はまだまだあります。
これからもまとめて行きたいと思います。
ヘイヘーイ

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